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2016年6月 4日 (土)

チャートデータの資料調査について

たまにデータについて質問されたりすることがあるのですが、オリコンのデータは開設された1968年から全て閲覧可能というわけではありません。特に古いデータは現存する資料そのものが少ないですし、一般公開されていない部分もあったりします(その当時はあったかもしれませんが)。ある程度は図書館で調べたり古い書籍を入手したりしてデータを得ることができますが、データを取ることが出来ない範囲というものが存在し、そのため自己集計も出来ない部分が発生します。

今回はFAQではないですが、現状で調査可能な部分がどこまでなのか、質問に出ることやその回答の根拠になる部分をざっくりとまとめてみたいと思います。基本的に書いてあるのはシングルチャートのお話です。

オリコンが正式に開始されたのは1968年から。その直前の1967年にも準備段階として集計されていますが、閲覧できる資料はわずかです。調査が可能な資料のいちばん最初の部分は1968年と1969年の週間チャートは「コンフィデンス年鑑 1970年版」に2年分まとめて掲載されています。ただし1968年2月分までは週間の得点はなし、累計が入るのも6月からなので初期の部分の計算はできません。1970年の週間チャートは「コンフィデンス年鑑 1971年版」に1年分掲載されています。

1971年~1974年3月までが問題の空白の期間となっています。「コンフィデンス年鑑 1972,73合併版」には4週に1週しか縮刷版が掲載されていません。順位は前3週分が見られますが、その3週の間に圏外に消えた作品に関しては順位もわかりません。当然得点もわかりません。「コンフィデンス年鑑 1974年版」でも1週おきと間隔は短くなっていますが、同様の問題で順位と得点がわからない部分があります。

これだけの資料でこの期間全週の順位が確定できるのはだいたい40位以内までです。今みたいに急落作品は皆無の状態とは言え、40位台に入ると3週の空きの分で抜けが出る週が出てきます。自分の調査ではチャートブックで確認できるが年鑑掲載分で確認出来なかった作品は65作品もあります。

「コンフィデンス年鑑 1975年版」からは全週掲載されるようになっています。ただしこの時期は4月~翌年3月という掲載方法になっていますので、完全データになるのは1974年4月以降ということになります。ちなみに年鑑での縮刷版が4月~翌年3月となっているのは1978年版まで。1979年版からは1~12月の掲載となります。1978年の1~3月は1978年版と1979年版で重複しています。

その後オリコン側での修正などがあり、後に公開される公式累計データと週間データからの自己集計では差異が発生する場合もありますが、1980年ぐらいまででそういうことはなくなってきます。最後の大きな修正は、週間では200万超えている「ダンシングオールナイト」が161.7万枚になっているあたりですかね。ミリオンに届いていないのにミリオンになっていたり、逆に超えてるはずなのに少なくなってたりする作品もあります。また、古い資料には誤植も多く、順位がかぶっていたり順位と得点が合わなかったりする場合もあります。

ここからしばらくは各年の「オリコン年鑑」に収録されている縮刷版から全データを閲覧可能となっています。ただし1996年12月最終週だけはなぜか年鑑に未収録のため、週刊誌の方からデータを取得する必要があります。

そこから先の大きな変更は2002年に訪れます。累計の集計対象が2002年12月からシングルでは200位、アルバムでは300位に変更になります。12月からというのは、年間チャートの集計期間が前年12月初週からその年の11月最終週までとしていたためです。さらに10枚単位の数字を「得点」として売上を出すには10倍しなければならなかったものが、ここを境に1枚単位の数字(推定売上枚数)に変更になりました。

この期間にも不明な部分が現れます。オリコンは2002年12月から101位以下を集計対象に加えたにもかかわらず一般向けのオリコン誌では100位までしか発表しませんでした。業界向けのコンフィデンス誌の方で101位以下の順位は確認できますが、2003年2月までの3ヶ月間は得点が載っていないため各週の得点の確定はできません。累計だけは3月以降のランキングから探すか、チャートブックやyou大樹の検索でデータを見つけることはできます。

しかしアルバムチャートの方も200位までの掲載のため、アルバムの集計対象である201~300位に関しては全く掲載がない状態になっています。したがってその期間に201位以下にしかランクインしていない作品は存在すら不明ということになります。2003年3月以降はシングル200位、アルバム300位までの順位・得点ともに発表はありますが、「オリコン年鑑 2003年版」と「オリコン年鑑 2004年版」の縮刷版ページには100位までのものしか載っていません。2003年末までの101位以下のチャートを入手するには週刊のコンフィデンス誌(業界誌の方)を全週分をチェックする必要があります。

この3ヶ月間のアルバムの不明の部分を確定するには以下の手順で調査する必要があるでしょう。

(1)12~2月の200位内ランクイン作品や3月以降初登場以外のランクイン作品について、you大樹での検索を行い201位以下で抜けている順位を埋めていく。
(2)チャートブック全作品の中から、この時期にランクインしている作品をすべてピックアップする。(発売日等で判断するしかない)
(3)2002年11月以前の100位内作品がその期間に201位以下に残っている場合を精査。(2)でピックアップしたものの累計と11月末の累計が異なっている場合は対象期間内のランクインがある。
(4)これで3ヶ月間の200位以上登場作品と3月以降の登場作品で3ヶ月間に201位以下の順位が埋まるが、一部虫食い状態になっている。
(5)これまでの調査で出てこずチャートブックからしか抽出出来なかった作品がこの虫食いの空いている部分にあたり、3ヶ月間の201位以下のみに登場した作品となる。
(6)それらの作品をyou大樹で検索でして順位を確定し穴埋めしていけば、3ヶ月間の201~300位の順位は埋まることになる。

このようにチャートの精査にもかなりの手間がかかる上に、チャートブックの中からのピックアップが気の遠くなるような膨大な作業です。しかもyou大樹の検索は1ヶ月200件までなので、何ヶ月か掛けてやるか複数ID(数人で協力する)などの方法をとらなければ順位検索も一度には終わりません。この集計範囲切り替え時の3ヶ月間のチャートを埋めるのは並大抵の作業量ではありません。それでも101位以下の週間の得点の確定はできず、年間などの集計で使う場合には、この部分は3ヶ月間の累計をまとめておいてその数字を使うしかありません。

2004年以降(2003年12月以降)はyou大樹でも101位以下が見られるようになるので、年鑑でもネットでもデータを入手できるようになっています。この後での変更は年間チャートの集計期間が2006年年度から締めの週が12月第3週になりました。2006年度は2005年12月1週から2006年12月3週までと通常より3週分多い集計に、それ以降は前年12月4週から12月3週までが集計対象期間となっています。

月間チャートの集計は2009年9月よりそれまで週間の日付の月でまとめていましたが、集計期間をベースにその月の売上に近くなるよう変更になりました。年間・月間の集計期間の変更は、おそらくこれまでは年末の特番や賞レースなどの参考データに利用されるべく早めに出す必要があったものが情報の加速化によってギリギリまで待つことが可能になって、本来集計すべき期間に限りなく近くできるようになったためと思われます。

とりあえずこれを書いている現在で把握出来ているものはこのぐらいです。今後ネットサービスの拡大か新たな書籍でも販売されない限りはこのまま変わらないでしょう。

ご参考までに、現在you大樹で検索できる週間チャートの範囲は下記の通りです。
1968年1月~1985年11月…20位まで   
1985年12月~1996年12月…50位まで
1997年1月~2003年11月…50位まで(得点付き)
2003年12月~現在…200位まで(アルバム300位まで)

一般向けのサイト「ORICON STYLE」では週間シングルチャートは2005年9月4週が最初、順位も50位までのランキングしか閲覧できません。業界向けの「真大樹」の方はどこまで載っているのかは閲覧したことがないのでわかりません。

このようにして私は長年調査していたわけですが、現在は表に出していない状態になっております。もし興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

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コメント

オリコン音楽情報サイトより2017年11月27日付のシングルCDの週間チャートの150位を可能な限り観察して見てふと気になった点があります。
僕が着目したのは各週毎の150位の週間売り上げ枚数のボーダーラインを調べたところ、150位がない変わりに149位が二つ被って載っていました。
これを見て僕は初めて売り上げ枚数が同じの順位被りがある週の存在を今知りました。
シングルデイリーチャートでは同一の順位被りが下位でよく見られるのは既知の事実ですが、シングルの週間チャートでは1968年の集計開始来から2017年11月20日付までの間までは順位被りは今までに存在して無かったかに思えます。
この順位の付け方の変化は実に興味深いと思います。

【~2017年11月20日付の週間シングル】
1位>2位…>151位>150位>151位…>>200位。
【2017年11月27日付の週間シングル】
1位>2位…>>149位=149位>151位…>>200位。

デイリーもですが、アルバムだと300位まであるため下位の数字が小さく差が出にくくなるため、ほぼ毎週同じ順位というのは存在しています。しかしシングルの場合はほとんど見かけることはなかったですね。

かなり昔のチャート、1968年では同じ順位も見られますが、その後は全体の差が大きいということもあり10枚単位の勘定だったので差をつけるための操作もできたのだとの邪推もできます。

最近は一枚単位になったため確率的に同じ枚数にはなりにくくはなっていますが、順位ひとつ分の売上の差も小さくなったため、アルバムでは同じ順位の作品が複数並ぶという現象が増えてきました。

これまでシングルでも全くないというわけでもなく、2010/8/16付の「はぐれ雲/池田輝郎」と「みれん舟/永井裕子」がともに420枚で154位という例があります。かなりレアなケースではありますが、可能性はゼロではなかったということですね。

ただ今週に関しては149位だけでなく、71位、90位、105位、125位などシングルに同順位がいきなり増えています。集計ルールに何かしらの変更があったのかもしれません。

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